新型コロナ初期に出産した私が不安に思っていた5つのこと

2019年に発生し、日本では2020年に入ったころから騒がれ始めた新型コロナウイルス(COVID-19)。
未知のウイルスであり、発生初期の段階では、初期の報告では重症化率が32%、死亡率が15%とも言われていました。

毎日増加する感染者数を各メディアが報道することにより、マスク・アルコール等の消毒液等の感染予防グッズだけでなく、トイレットペーパーやティッシュ等の日用品がどんどん欠品していました。2020年4月16日には、全47都道府県に緊急事態宣言が発令される事態に。

そのような未知のウイルスと遭遇した際、妊娠後期の私が不安に思っていた5つのことを記録用にまとめます。 

現時点ではCODIV-19が妊娠中のリスクが特段高くなるということは言われておりませんので、あくまでも未知のウイルス渦中の私がこんなことを不安に思っていたんだ、という参考程度に参照ください。

ああ現時点では新型コロナウイルス感染によって、胎児の異常、流産、早産、死産のリスクが、高くなるという報告はありません。しかし子宮内における胎児のウイルス感染が疑われる例が報告されています

日本産婦人科感染症学会
Microsoft Word – 新型コロナウイルス感染症(COVID 第10版).docx (kenkyuukai.jp)

 

不安に思っていた5つのこと

 

  1. 妊娠中は免疫力が下がっているため、かかりやすいのではないかということ
  2. 子宮が大きくなることにより肺が圧迫されており、COVID-19は重症化しやすい可能性があること
  3. 重症化した場合、安全に使える薬が現時点ではないこと(お腹の子へ影響がある禁忌薬が多い)
  4. 子への垂直感染の可能性があること
  5. お産難民が出てくること

 

① 妊娠中は免疫力が下がっている

私たちの体はウイルスなどの「異物」が体内にあると、免疫機能が働き自身の体を守ります。しかし、妊娠中はお腹に赤ちゃんがいます。もちろん赤ちゃんは「異物」ではないのですが、通常の免疫状態であるとお母さんは自身の体を守るために免疫機能が働いて攻撃してしまいます。それを避けるため、妊娠中は一時的に免疫力を下げていると言われています。

上記より、妊娠中は風邪をひきやすい状態であるため、
・手洗い・うがいをしっかりする
・睡眠をしっかりとる
・規則正しい生活を心がける
・マスクをする
など、いつも以上に予防する必要があります。

新型コロナウイルスは未知のウイルスであり、毎日の報道でどんどん感染者が増加していることを認識していたため、通勤中は非常に不安でした。

現在は厚労省より下記通達がなされていますので、ご不安な方は会社・厚労省にご相談することをお勧めします。

妊娠中の女性労働者が、その作業等における新型コロナウイルス感染症への感染のおそれに関する心理的なストレスが母体又は胎児の健康保持に影響があるとして、妊婦検診等で主治医等から指導を受け、事業主に申し出た場合、事業主は、この指導に基づき、作業の制限、出勤の制限(在宅勤務・休業)等の措置を講じなければなりません 。
※本措置の適用期間は、令和2年5月7日~令和4年1月31日です

男女雇用機会均等法 000630978.pdf (mhlw.go.jp)

 

② COVID-19は重症化しやすい可能性があること

妊娠の経過をたどり、後期になるほどお腹がどんどん大きくなります。新型コロナウイルスが重症化し、肺炎に…といったニュースもよく報道されていたため、ますます不安が募りました。

妊婦さんでは、大きくなった子宮が横隔膜を持ち上げて肺を圧迫するために、換気が抑制され、またうっ血しやすいことから新型コロナウイルス感染にかかわらず、一般的に肺炎が重症化する可能性があります。

日本産婦人科感染症学会
Microsoft Word – 新型コロナウイルス感染症(COVID 第10版).docx (kenkyuukai.jp)

 

③ 重症化した場合、安全に使える薬が現時点ではないこと

新型コロナウイルスに限らず、妊娠中に使用できる薬は限られています。ましてや未知のウイルス…。これほど怖いものはありません。

私は妊娠初期に1週間以上咳がつづき、のども痛くてしんどかったので、耳鼻科に行きました。そこでは「妊娠中の副作用」について説明を受け、「やっぱり自力で直します…」と出直したことがあります。

妊娠中の風邪・病気は本当に辛く、咳がでるたびに「お腹の中の赤ちゃんは大丈夫かな?」と心配になってしまうほど、神経質になっていました。(産婦人科の先生に伺ったところ、羊水でしっかり守られているため、大丈夫だそうです!)

 

④ 子への垂直感染の可能性があること

新型コロナウイルス初期の段階では、症例数が少なかったため、海外の情報に頼るしかありませんでした。その中で、母子垂直感染(お腹の中で母親から子供へと感染する)の可能性が示唆されていました。

母体の感染が認められた場合、妊娠後期であれば帝王切開で出産し、その後2週間の隔離中は我が子を防御服の上からしか抱けない。といったニュースも拝見しました。

そのため、「絶対に新型コロナウイルスにかかるまい!お腹の中の赤ちゃんを守るんだ!」と外出することが非常に怖くなり、産婦人科への通院と長男のお散歩(公園)以外は外出しませんでした。また、外出後はお風呂に入り、ウイルスを流すようにしていました。

 

⑤ お産難民がでてくること

海外では
・現在妊娠8カ月なのに、妊婦検診を受けられない
・お産場所がコロナ指定病院になってしまい、どこで産むか決まっていない
といった方々がでてきたとTwitterで拝見しました。

日本では

コロナ感染中とわからぬまま分娩した場合や、産婦人科医など医療関係者の方がコロナに感染した場合、関係者の方々は2週間の自宅待機・その施設での分娩停止

とされていました。
ということは、もともと超手薄な産婦人科がさらに手薄になっているということ。

私の地元には地域の産科が2箇所あるけど、そこで発生したらすぐ封鎖になるということは容易に想像できました。
しかしながら総合病院や大学病院も手一杯のため、確実に受け入れてくれる保証はありません。 (そもそも手厚い病院は人気のため、妊娠発覚・心拍確認と同時に分娩予約で抑えなければいけない状況です。)

また、千葉県では、コロナ合併妊婦さん用の地域総合周産期母子医療センターが満床になってきているとの情報を産婦人科の先生がTwitterで呟いていました。ここが満床になれば、一般の産科にまわされる…

第一子の出産が死にそうであり、今回血液トラブルを抱えていた私にとって、安全にお産できる環境は絶対に必要でした。そのため、上記ニュースを知ったとき不安がピークに達し、泣き崩れたことを覚えています。

 

 

コロナ禍における産婦人科の対応

私は大学病院を妊娠5wで予約していたのですが、2020年4月~5月の対応は下記の通りです。

  1. 妊婦検診の間隔を通常+2wほどあける。(36wまでは4w、それ以降は2w)
  2. 無痛分娩はできない可能性が高い。(コロナ患者さんへ麻酔科医が派遣されるため。)
  3. 妊婦検診への付き添い、分娩立ち合い、入院中の面会一切禁止
  4. 両親学級、母親学級など一切中止

また、妊娠への影響が分からなないことから不妊治療は停止するよう各医療機関へ通知がでていました。妊娠可能なタイミングとの闘いなので、すごく苦しい決断を多くの方が求められていました。

 

医療関係者の方々のご配慮により、二子目も無事出産できました^^
本当にありがとうございました!

  

 

まとめ

全くの未知のウイルスであったCODIV-19。1年以上経過した今も、まだ収束していません。そのような状況でも、妊娠中・産前産後の方はたくさんいらっしゃいます。ご本人はもちろん、周囲の方も心配で仕方ない状況だと思います。

先日ドキュメンタリー番組で6男7女のご家庭が特集されていました。(実家でチラッと拝見したので、番組名は失念してしまいました。。)その中で、お母さんが「13人産んだ中で、今回が一番不安で怖かった。」という一言をおっしゃっていました。

まさにその一言に集約されていると思いました。ただでさえ、とってもとってもしんどい妊娠期。今は本当に本当に大変な時期ではありますが、未来の子供たちが平和に過ごせるよう踏ん張りどころと思いたい次第です。

医療関係者の方々に感謝しつつ、日常で気を付けることをしっかり守り、一日も早く収束することを願います。

 

   

参考URL

SNSの情報は早いですが、下記のような信頼できる機関からも情報収集することが大切です。情報元はしっかり確認しましょう。

日本産婦人科感染症学会
Microsoft Word – 新型コロナウイルス感染症(COVID 第10版).docx (kenkyuukai.jp)

国立感染症研究所
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報について (niid.go.jp)

日本感染症学会
新型コロナウイルス感染症|感染症トピックス|日本感染症学会 (kansensho.or.jp)

日本産婦人科医会
コロナ特設ページ – 日本産婦人科医会 (jaog.or.jp)

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